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鯖江市・越前市で開催された「RENEW(リニュー)2023」作り手たちとつながる持続可能な産地づくりのイベント   2023年10月6日~8日

更新日:2023年10月26日



~見て・知って・体験する~

「RENEW(リニュー)」は、持続可能な産地づくりを目指した、福井県鯖江市・越前市で開催される体験型の産業観光イベントです。普段は入ることができない工場や工房で、作り手の想いや技術の背景を知ることができます。

2023年の参加企業は94社、ワークショップは60、トークイベント6、産地イベント6が開催されました。急ぎ足でイベントに参加したレポートです。


~越前の文化を守り、生き続ける伝統技術をめぐる~

福井県の越前エリアには、古くから継承された地場産業が半径10km圏内にギュッと集積されている日本でも稀有な地域です。

1500年の歴史がある越前和紙・越前漆器、850年前平安時代末期から続く日本六古窯の越前焼、700年の伝統のある越前打刃物、江戸後期から指物職人が集まる武生地区の越前箪笥、日本製眼鏡フレームの9割が鯖江の生産という眼鏡などがありそれぞれのエリアで多彩なイベントが開催されました。


【イベントエリア】

・越前漆器&眼鏡エリア(河和田区)

・越前和紙エリア (今立地区)

・越前打刃物エリア(武生地区)

・越前箪笥エリア (武生地区)

・眼鏡&繊維エリア(神明・鯖江地区)

・越前焼エリア  (越前地区)








~「来たれ若者、ものづくりのまちへ」~

産業観光だけではなく、もう一つのコンセプト「来たれ若者、ものづくりのまちへ」と雇用創出、産地内教育など様々のプログラムが展開され、「ものづくり」から広がる「まちづくり」「ひとづくり」という産地の未来をつくり出しています。

今年で9回目の「RENEW」は確実に地元に根付き、伝統をつなぐたくさんの若者たちにバトンタッチされているように見受けられました。「ここ数年で100名以上の移住者が集い、多くの若者がものづくりや、ものづくりにかかわるデザインなどのクリエィティブの領域で仕事に取り組んでいる」とネットに明記があり、あちこちで見かけたイベントを支えるたくさんの若者たち、皆とってもいい顔で目を輝かせて働いているのが印象的でした。


<越前漆器エリア(河和田地区)を散策>

鯖江市河和田地区は、1500年以上の歴史がある越前漆器が生まれた町。漆器は分業で作られため、木地師・塗師・蒔絵師などさまざまな職人の工房が集まる地域です。「うるしの里会館」は、回廊式の建物で木地から加飾まで漆器の製造工程や歴史的資料を見学できます。また会館は越前漆器の技術継承、後継者育成の拠点になっています。広い駐車場があり、イベントのインフォメーションの場所。「RENEW」ガイドブックを手に入れることができます。


総合案内所の「うるしの里会館」


~漆林堂(しつりんどう)~

創業1793年(寛政5年)という「漆琳堂(しつりんどう)」の直営店。前庭に置かれたのは、さわやかなモスグリーンの漆塗りの自転車。「土と水以外、漆は塗れる」という言葉を体現したtokyobikeとのコラボ。越前漆器に黒と赤しかないことに疑問を抱き、ポップなカラーの漆器を作り始めたのが8代目の内田徹氏。ショップ内には、鮮やかなイエロー、空色、やさしいピンクなどの漆の食器。キッズ用の小さい漆椀や漆皿が並び驚かされます。受け継がれてきた漆塗のものづくり、次の世代に引き継がれています。




<越前和紙エリア(今立地区)を散策>

種類も生産量も日本一の和紙産地が越前市今立地区です。紙の神様が祀られている紙祖神(しそしん)岡本神社・大瀧神社。1500年ほど前、神によって紙漉きの技術が伝えられたという川上御前伝説が残っています。清らかな岡本川に沿った古くからの通りには、約60余の製紙所が並び、独特の風情があります。いくつかの和紙に関する博物館、工芸館が点在していて、「和紙の里」めぐりを楽しむことができます。


日本一複雑な屋根を持つ岡本神社・大瀧神社(重要文化財)


~和紙屋・杉原商店~

明治4年創業の越前和紙の老舗問屋「和紙屋・杉原商店」。主屋(大正14年)、西土蔵(大正6年)、表門など6か所が国の登録有形文化財に2022年に認定されました。主屋の西側に建つ二階建ての土蔵は、2018年に和紙ギャラリー&ショップ「和紙屋」に改装され、さまざまの越前和紙に触れることができます。欅の梁間は4間(7.4m)×桁行8間(14.9m)の大きな空間。分厚い欅の板張りに囲まれたギャラリーの圧巻は、天井から吊り下げられた繊細な透かし模様の巨大な和紙。あらゆるカードに使われる凸和紙、和紙にインクジェット印刷、金箔、うる和紙、ここでは越前和紙のあらゆる姿を楽しむことができます。

和紙には私たちが知らない世界がたくさんあるみたいです。杉原商店のトップ杉原吉直氏は、和紙を日常で使う大切さの普及させる活動と共に、建築やデザインの世界に和紙の魅力を広め、グローバルに視線をむけながら活動しています。

*和紙屋・杉原商店 https://www.washiya.com/




~山次製紙所~

1500年前と変わらず、同じ原料、同じ道具で新たな和紙を作り続ける最先端の和紙製作所が「山次製紙所」。

越前和紙初心者の当方、初めて見た「UKIGAMI(浮き紙)」に驚愕。どう見ても和紙には見えない立体感と鮮やかな色。従来茶筒に貼られている型染め紙ではなく、あざやかなカラーの「浮き紙」が巻かれ、すまし顔で並んでいる様子は欧州のチョコレート入れかボンボン入れに見えます。サンプルいっぱいのショップ、真っ黒なアイアンの不思議な工具をみて工場見学したい!しかし、事前に申し込みをしていないので残念。


「山次製紙所」は、明治元年創業の手すき和紙の工房。初期のころは奉書紙などの無地の手漉き和紙をつくり、昭和初期から越前和紙固有の模様をつける技法を用いた美術小間紙(びじゅつこまし→日本の和小物に使われる、昔ながらの装飾を施した和紙の総称)の製造をはじめます。現在も、多様な柄模様が特徴的な和紙を漉いています。「UKIGAMI」は、独自の技法で表面にはっきりとした凹凸がつけられており、 柄が浮いたように見えることからその名がつけられています。和紙の質感がもたらす美しい現代模様は、私たちの生活をより豊かにしてくれています。脈々と繋がる伝統工芸の奥深さを知りました。




鯖江には2回目の訪問、わずか1日の「RENEW2023」への参加でしたが、すっかり越前のものづくりに魅了されました。1500年前という言葉がなんのてらいもなく出てくる越前の伝統産業は恐るべしです。「RENEW」は日本の伝統文化のワンダーランド。今時の仮想現実ではない「“見て・知って・体験する”作り手たちとつながる体感型マーケット」。今、立ち止まって未来のためにたくさんの若者たちに知ってほしいと思います。わずかな数しか報告できなかったレポートお許しください。


20231024

phote & write by kanno

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